若月小百合
夫婦別姓を認める国ー。になってほしい。
これが私の唯一の希望です。
私の過去の問題を書かせて頂ければと思います。
私の離婚は過去の配偶者の決断と行動で、突然でした。
突然、仕事と子育てが全て私の肩にのしかかりました。
結婚した頃は、何も考えず名前を変更しました。
国際結婚は、姓を変更しなくても良いのですが、女性である私はそれが当然だと思いこんでいました。
何も知らない無知な若者でしたし、結婚した時、私は自分の財産や会社を所有していませんでした。
離婚は私の意に反してでしたが、どうすることも出来なければ、「前を向いて進んでいこう」とー。
その為には、「名前を変更して元の私の名前で新しい人生を生きていこう」と決心したのです。
ここで一つの問題が発生しました。
子供は「名前を変更したくない」と言いました。
子供たちが未成年だったため、私が姓を変えると子供たちも変更しなければならなかったのです。
国際結婚だったため、今までの姓を使用し続けることが出来ましたが、一旦は母親の姓になって、それから又手続きをするらしく、二回も名前変更をしないといけないとのことでした。
結局、子供たちには、私の元の姓になってもらいましたが、中学と高校入学までは姓が変更されたことを伏せて、変更前の姓を使用してもらうという、なんだか世間に嘘をついているような行動を子供たちにさせてしまいました。
突然の離婚という精神的なストレスを抱えながら、名前の変更手続きを一つづつ始めました。
結婚した若い頃でしたら、クレジットカード、銀行、その他のカードくらいで良かったと思います。
会社、外国人従業員たちの契約書関係、所有物、子供たち関係、保険など一つ手続きが終わったと思ったら、又次、次が終わったと思ったら又次と、これは数年間続きました。
手続きには交通費や手数料がかかりますが、その金額はいくらだったかは覚えておりませんが、手続きに出向く度に、私の代わりに働くバイトを探してバイト代を支払うという、この業務は、当時の私と会社には大変なことでした。
夫婦二人で経営していた仕事が突然私だけになったので、余りにも忙しく、人生どん底の大変な時期に、泣きながら、そんなことをしながら仕事をしなければらならなかったのです。
当時は、不幸のどん底でしたから、「早く名前を切り捨てて新しい人生をー」という思いがありました。
ところが、運転免許は、更新したばかりで、次の更新までは名前の変更は裏に書かれ、表は変わらないという嫌な思いもしました。
もし、今までに再婚相手がいたらどうなっていたのでしょう?
やっと元に戻した名前を又変更するのに、このような手続きを又するのでしょうか?
もし、この大変な手続きのせいで、再婚できないでいる人がいるとしたらどうでしょう…?
「大変な手続き」と書きましたが、時間と労力の問題だけではありません。
これには結婚前の私が想像できなかった、経験した者にしか分からない精神的な問題が加わります。
私は元の姓に戻しておいて良かったと思っています。
独りになって、同じく独りの母親と同じ姓になれたからです。
母の元に戻れたような気持ちです。
再婚離婚を繰り返した人たちの中には、一つ前の名前にしか変更できないので、親が生きているのに自分の親と同じ名前になれない人たちがいるのです。
もし夫婦別姓が認められれば、このような問題がなくなります。
家族の絆が、薄れるという意見もありますが、中国人の友人の話を聞いている限りは、彼女たちの家族の絆が薄いとは思えません。
決して同姓を認めないわけではありません。
同姓が良い方たちは別姓にする必要がないのです。
ただ、別姓が必要な方たちにその権利を認めてほしい。それだけです。
最後にこれらの問題は、殆どの場合、女性が抱えています。
だから、これは、男女差別ではないかと私は言いたいのです。
過去を乗り越え、今冷静になると、あれほど捨てたかった結婚していた時の名前ー。
あの名前で生きていた自分も私だと思えるようになりました。
このように思えるようになるには長い年月がかかりました。
過去の名前も確かに自分なのに、使用できないのもおかしく感じます。私が二人いるような感覚です。
最初から一つの名前で生きられたら、このような疑問も抱かなかったのではないかと思います。
名前変更には精神的な問題が関わるのです。これを理解して頂けるように説明するのがとても難しい。
自分の名前は大事です。
一つの名前を大事にして、一生を生きるー。
そんな権利を必要な方々に与えて頂けないでしょうか。
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