エッセイ マミのA4一枚、こころのデトックス(12) 矢野マミ32.泣いた赤鬼 子どもの頃、銭湯に通っていた。もう何十年も前の話になる。昔の話だ。何十年も前の話を覚えていて、こうやって書くことができるなんて、孫はまだいないけれど本当にもう「おばあさん」の入り口に来ているのだなあ!と感慨深さを覚... 2024.07.07 エッセイ矢野マミ
文学 【本格小説】野いちご物語 ~Vol.0 トラ猫先生ミーちゃん~ 矢野マミ 白い影が、美術室後方の扉のガラス窓をふぅわりと漂うように横切った。「まっ昼間なのに、ゆ、幽霊!?」神沢美以は教卓の中央で正面を見ながら、目の端で廊下側を意識して待っている。やがて美術室の前の扉の向こうをのんびりと歩く白衣を確認して... 2024.06.23 文学矢野マミ
エッセイ マミのA4一枚、こころのデトックス(11) 矢野マミ30.義母が死んだ。 91歳で亡くなった義母は間違いなく老衰だし天命だし、大往生だったと思う。しかし亡くなったのが、ちょうど義兄が我が夫に電話をかけて来た次の日だったことで、ついつい余計なことを考えることになった。 電話の内容は、「... 2024.02.02 エッセイ矢野マミ
エッセイ マミのA4一枚、こころのデトックス(10) 矢野マミ27.『死ね!』というアナタはもう死んでいる。 機会を得て、ダンス・表現系のワークショップに参加してきた。2泊3日の丁寧に組み立てられた構成で、主催者の自信と熱意を感じられた熱い体験であった。コロナ禍を挟んでここ数年、様々なワークシ... 2023.12.04 エッセイ矢野マミ
エッセイ マミのA4一枚、こころのデトックス(9) 矢野マミ24. 虚飾の人 ここ数年、「拒食症」「元・拒食症」の人と同じ職場で働く機会が増えた。若いころにはなかったことだ。21世紀になってから「拒食症」の人が増えているのか、この仕事を志向する人に「拒食症」の人が多いのか、人手不足で職場もそ... 2023.09.29 エッセイ矢野マミ
エッセイ マミの A4一枚、こころのデトックス(8) 矢野マミ21. Let's家事! 朝日新聞社を退社したアフロ姉さんこと稲垣えみ子さんが書いた「家事か 地獄か」(←どんなタイトル!)は、バッグの中でペットボトルの緩んだ口からこぼれた水をかぶって水浸しになってしまった。家に帰って干したけれど... 2023.08.09 エッセイ矢野マミ
エッセイ マミのA4一枚、こころのデトックス(7) 矢野マミ19.「神様からの手紙2023 ③」 ようやくキミは自分の居場所をみつけたようだね? “Empowering Gifted Minds” 東京大学大学院総合文化研究科ギフテッド創成寄付講座 あるいは昨日買ってきた2冊の本の片方に紹介... 2023.07.02 エッセイ矢野マミ
文学 短編小説『悦っちゃん』 矢野マミ「そういえばさ、悦ちゃん、亡くなったんだって……」 久しぶりに会った同期からの報告に驚きながらも、いつかその日が来るのを予感していた。『悦ちゃん』は、3人目の育休明けに出会った上司だった。社内の有名人だった。50代半ばで金髪のショー... 2023.06.07 文学矢野マミ
エッセイ マミのA4一枚、こころのデトックス(6) 矢野マミ16.#不死鳥の如く 「神宮球場」がなくなるかもしれない、と聞いて慌てて行ってきた。そこは聖地だったから。村上春樹が小説執筆を決めた伝説の球場、神宮球場。このエピソードは村上氏本人も書いているし、他の人もよく引用しているので、ザッ... 2023.06.05 エッセイ矢野マミ
エッセイ マミのA4一枚、こころのデトックス(5) 矢野マミ 13.ダリの発想法 ファッション雑誌「装苑」の2021年9月号の記事「ヴィヴィアン・ウェストウッドからのメッセージVol.55」の中で、ヴィヴィアン・ウェストウッドの10年来の友人というダニエル・リズモアがシュールレアリスムを代表... 2023.04.30 エッセイ矢野マミ
エッセイ マミのA4一枚、こころのデトックス (4) 矢野マミ 10.異次元 「世の中が変わったな」と実感したことが最近あった。 行きつけの(?)スーパー銭湯で、パウダールームの鏡の前で、全裸で立ったままドライヤーをかけている女性を発見したのだ。 この日はもう一人、パンツ1枚で上半身はいわゆる... 2023.03.26 エッセイ矢野マミ
エッセイ マミのA4一枚、こころのデトックス (3) 矢野マミ7. 多いですか?少ないですか?誰に聞いたら良いですか? 特別な職業に就いているわけではないが、ふと気がつくと、周りに自死、変死した人が何人もいた。 普通、平均して何人くらい自死した知人がいるのだろうか? ちょっと多すぎないでしょう... 2023.03.01 エッセイ矢野マミ
エッセイ マミのA4一枚、こころのデトックス (2) 矢野マミ4.死ぬ瞬間 友人からメールが来たので、彼女の了解を得て紹介する。「先日、母が亡くなりました。入院して、すぐには会えなくて(今はまだ一般病棟でも面会が制限されているから)1週間くらいしてから洗濯物を交換に行き、ナースステーションで看... 2023.01.16 エッセイ矢野マミ
エッセイ マミのA4一枚、こころのデトックス (1) 矢野マミ起きて観る夢 夢には寝ている時に見る夢と、起きているときに観る夢がある。起きている時に観る夢は、頭の後ろのスクリーンに映し出される映画のようだ。そして、映画が映し出される前にシナリオが降りてくる。頭の後ろにシナリオが浮かぶので、こう... 2022.12.09 エッセイ矢野マミ
文学 小説『思い出』 矢野マミ 若い頃のほんの一時期、都内で教員をしていたことがある。都内と言ってもまだまだ田畑の残る地方都市の趣のある街だった。 男子が9割を占める工業高校で、私は国語の教員として勤めていた。 いつものように仕事を終えて帰宅すると、事件の第一報... 2022.11.25 文学矢野マミ
エッセイ ~ご挨拶~ 矢野マミ「書きたい!」「書きたい!」セッションではなく、往復書簡で人生相談をしたいです~と書き続けていたら、ヒロミさんがこのような場「まどか通信フェニックス」を用意してくださいました。モノは言いようですね。『A4一枚勉強法』という本がありま... 2022.11.10 エッセイ矢野マミ