文学 フェニックス六首 田中義之 ふらふらと心と体揺れながら新しい事探してはどう 偉くなく少し考え息をするそれでも僕は生きながらえる 人間と猫族の差は心意気あってもなくても微笑んでいく 月明かり体に浴びて散歩する月光はやはり詩歌の元素 首振るとおかしいのかと思... 文学田中義之
文学 短歌集『奇跡~懐かしい日々』 田中義之 高校生若気の至り言い訳にしていい時といけない時代 肩車担ぐつもりが耐えられず思わず落とす情けなき我 水俣の公害問題友と知り図書館で読む苦海浄土 自らを大人とみている高校生所詮は園児が背伸びしただけ 青春の真っ只... 文学田中義之
文学 短歌集『収容所群島』 田中義之 令和と打ち囹圄(れいぎょ)と変換されていくここはまさしく収容所群島 燕子花典雅な構図を繰り返す光琳描く燕子花屏風 差別する言葉をうまく案出し心は隠す地獄の果てに セロ弾きの独奏これは孤独なり観客1人共犯幻想 家族譜の不... 文学田中義之
エッセイ アート・セラピーに参加して 田中義之 去年ほど僕にとって生活が一変したことはなかった。 一昨年仕事が、定年退職してから色々な事が起こった。中でも去年の秋からZOOMで。アート・セラピーに参加したことは僕にとって大切な事だった。 実家を家出して新しい住まいに転居し... エッセイ田中義之
文学 ある小説に関する思い出 田中義之 『孤高の豚』って云う短編小説を書いたことがある。主語は、三人称複数。ある独裁国家の元首の存亡(実は安泰)を、民衆側から描いた物で、多分にガルシア・マルケスの『族長の秋』の影響がある。 「『孤高の豚』と彼らは呼んだ。それが、蔑称... 文学田中義之