文学 小説『思い出』 矢野マミ 若い頃のほんの一時期、都内で教員をしていたことがある。都内と言ってもまだまだ田畑の残る地方都市の趣のある街だった。 男子が9割を占める工業高校で、私は国語の教員として勤めていた。 いつものように仕事を終えて帰宅すると、事件の第一報... 文学矢野マミ
文学 詩)旅の途中で 飯島章嘉いつの間にか 来てしまったここへ聞こえる誰かの呼ぶ声声、音の震えが日差しを揺らしている風?風ではない声 声が流れてせせらぎに浮かぶ草の葉をなぶる水か 水ではない。それは水の声私の声もう聞こえない何もしかし日差しが揺れている 風?せせ... 文学飯島章嘉
山本幸生 東洋「哲学」について(1) 山本幸生西洋と東洋という区分けは既にかなりカビだらけになっているが、それでもやはりそこかしこで依然いろいろと思い当たる部分がないわけでもなく、まだ完全に「死んでいる」とは言えないだろうと思われる。先にどこかのネット外国語グループで、哲学が「... 山本幸生批評・論考
柴﨑政夫 私の舞踊史Ⅱ 舞踊教育法研究家 柴﨑政夫続いて、私の所属する寺院檀家も紹介します。 秩父札所16番 無量山 西光寺~四国八十八箇所霊場の本尊模刻の回廊堂が建つ。 …この回廊を巡ると、四国八十八箇所を巡るのと同等の功徳が得られ、観音様の功徳と共に弘法大師の... 柴﨑政夫歴史
柴﨑政夫 私の舞踊史Ⅰ 舞踊教育法研究家柴﨑政夫まもなく71才となる私ですが、舞踊歴に至るまでの紆余曲折を少し長くなりますが、述べます。理由は、日本における舞踊発展の歴史上、今日の大学院卒業者や舞踊評論家は数名を除き、私以後の世代となりますから、いわば専門職として... 柴﨑政夫歴史
まどろむ海月(西武 晶) 詩画集『夏の楽譜』 まどろむ海月・詩、田中義之・イラストⅠ誰が投げたか 空の底に小石が一つ果てのない青い花の野に生まれたばかり白の風紋は旅立つそれは水溜りに揺れる夏の楽譜 硝子のまぶたに透ける午後昼の月は淡く微笑む飛ばした紙飛行機に 少年自身が乗っていて誰も傷... まどろむ海月(西武 晶)文学田中義之
エッセイ まどか研究所「アートセラピスト養成講座」で学んだこと ©︎松岡祐貴『思い出を残す』松岡祐貴一言で言うと例えば海外で学ぶ様なチャレンジ精神だったと思います。留学よりは安いお金でマンツーマンの指導も受けました。大切な姿勢も学びました。辛い体験をするだけでなく回復もすることや、自分にも優しくすること... エッセイ松岡祐貴
文学 歌集『恋歌へ』 田中義之アラビアの古なるや美しき笑みを湛えて訪れる君微かなる気品漂う首飾り険しき峰の谺の様にささやかな静けさの後水兵は咳一つするその闇の中ターバンを地上に置きて綴る文天使現れ説く桃源郷夏過ぎてニンフは祈る額付きてネヴァーランドに望みを託し春... 文学田中義之
エッセイ *【フェニックス】~創刊にあたっての随想 原田広美(ひろりん)〈列についてゆけない者に宝物はあるのか?〉 中学生の頃には、井上陽水に聴き惚れていた私にとって、神無月(新暦では11月頃)は、ちょっと特別です。まだまだ秋は続くけれど、新年からやっと春が来て夏になり、秋までを駆け抜けて、... エッセイ原田広美