とある会社員から見た「心理」の話(4)

浅野卓

 

 今日は、全国高等学校ギター・マンドリン音楽コンクールに行ってきました。娘の学校は、「ウィンザーの陽気な女房たち」を演奏しました。審査員が「序曲を演奏するに当たり、オペラを観たか?」という本質的な質問をしました。確かに、オペラを観て、序曲の位置づけはどうなのだろう? 誰をどのように描写しているのだろう? と理解して、演奏することは大切ですね。これは演奏だけではなくて、仕事、そして人生でも大切なことだと思います。単に審査員が細かいツッコミを入れてきた! と聞き流すのか、本質的なアドバイスだったと腹落ちして活かしていくのか、どちらの道を選び続けていくかで、人生の豊かさが変わってくるはずです。これも、前述のセンスメイキング理論の具体例ですね。

 

 さて、今日は「弱いつながりの強さ理論」。ちょっとややこしい名前かもしれませんが、有名な理論なのでご存じの方も多いでしょう。先日、ブラックサンダーぴよりんのイベントの話を書きました。担当者も私も社外の知り合いが増えました。このイベントがなければ関わりを持ち得なかった人々です。実は、最近、ビジネスではこういったつながりが大切だと言われています。社外で、違った価値観や知識を持って、少し関わりがある。そういった人とコミュニケーションを取ったり、同じテーマで議論してみたりすると、いろいろな発想が浮かびます。刺激を受けます。この繰り返し、人々の輪の広がりが、地域やビジネスを活性化することになるのです。

 

 どうすれば「弱いつながり」を増やしていかれるのでしょう? 先ほどお伝えしたように一緒にイベントや行事を運営するのは効果的です。また、勉強会もいいでしょう。(単に一方通行で話を聞くだけではなく、議論できる機会があると良いでしょう)でも、それらの機会は限られていますよね?? 現代社会において、インパクトがあるのはソーシャルネットワークなのです。経営学の専門用語で「SWT理論」という概念がありますので、ご関心を持たれた方はぜひ詳しく調べてみてください。ということで、ぜひ本稿をお読みの皆さんとも、弱くてもいいのでつながりたいと思うのです。

 

 

※写真について

自宅から徒歩3分の風景。裏山を鹿が駆け回っています。京都市郊外はまだまだ自然が残っています。