ゴーレム佐藤 夢日記『目覚めよと呼ぶ声あり』 ゴーレム佐藤 たたみかける仕事の雑多さに拘泥しながら、寄せては返す波のように繰り返し運行する星々の海に溺れかけていた。只々打ち続けるキーボードがかちゃかちゃと何かを訴えかけているような気がしたけれど、息をすることも忘れていた僕は自分の喘ぎ... ゴーレム佐藤文学
文学 書かれた―祖母 「家族譜」より 飯島章嘉 まず死を見に行く ここから始る コントロール出来る死をいただく 痴呆症の祖母から 空き家の前の側溝でつまずく 湿地帯とくねる道に隠される祖母 空き家の前の側溝でつまずく 痴呆症の祖母から ここから始る コントロール出来る死をいただ... 文学飯島章嘉
柴﨑政夫 私の舞踊史Ⅶ 柴﨑政夫 俳優生活も新年度に入った。突然「柴﨑君、君の声は遠くまで通る。すぐに使えるよ。」と言われた。続けて「一つチャンス逃したけどね。」→「何のことですか。」→「いや終わったことだからいいんだ。」 これが我が師Tとの出会い。直木賞作家... 柴﨑政夫歴史
批評・論考 【特別寄稿】蕪村の発句に於ける時間の考察(五) —経過という時間— 桝田武宗 四五人に月落ちかかる踊かな この句は、秋の盆踊りを楽しんでいる情景を詠んだものだと解釈している人が多いと思います。しかしこの句は、そのように表面的な景を詠んだ句ではありません。 先ず、時間的な面から書きますと、キーワードは、... 批評・論考桝田武宗
山本幸生 「西洋」について(2) 山本幸生 前回触れた、その「最後のピース」であったところの「フランス(特に哲学)」というものについていうと、まず最初の「出会い」はドゥルーズという哲学者の本だった。たぶん一番はじめに読んだのは「アンチ・オイディプス」という(結構有名な)本... 山本幸生批評・論考
エッセイ インクルーシブとは?〜舞台フェスティバル「りれいしょん(Relation)」の開催に寄せて〜 北條立記 「インクルーシブ」とは、「包み込む、排除しない」という意味の、「新しい社会の方向性を表す言葉」です。 この概念は、「バリアフリー」の発展形の言葉と捉えると、わかりやすいと思います。 バリアフリーといえばご存知の通り、お店や駅... エッセイ北條立記
原田広美 『漱石の〈夢とトラウマ〉』はじめに(前半) 原田広美 「弱者」としての自分を、自分に内在するトラウマを「夢の生成」と「冒険心」をもって癒そうとするすべての人々に本書を捧げます。 —また、そうした姿勢を最期まで貫こうとした作家・漱石へ。 あるいは「精神(神経衰弱)」および「肉体(胃... 原田広美批評・論考
エッセイ ブランショとの出会い 田高孝 青春時代を謳歌した、東武東上線の常盤台駅前シャガールの内部。私の青春舞台。 ときわ台で、アパート暮らししていた時。キャバ研の後、行き場を失って、幸田と一緒に、逃げの算段をしていたころ。突然、本屋で、コリン・ウイルソンの「宗教と反... エッセイ田高孝
エッセイ ネコは「寝こ」ろびヒト育て Ⅱ 保延薫 猫はネコ「寝こ」ろびヒト育て 2 このごろ特に表情がヒトそっくりになる猫が増えてきた。 少し前なら、それは犬の専売特許。 散歩するご主人そっくりの表情している犬(わんちゃん)は、あちらこちらに居る。 今は猫さんに増えてきている。そ... エッセイ保延薫