ゴーレム佐藤 夢日記『目覚めよと呼ぶ声あり』 ゴーレム佐藤 たたみかける仕事の雑多さに拘泥しながら、寄せては返す波のように繰り返し運行する星々の海に溺れかけていた。只々打ち続けるキーボードがかちゃかちゃと何かを訴えかけているような気がしたけれど、息をすることも忘れていた僕は自分の喘ぎ... 2023.05.26 ゴーレム佐藤文学
文学 書かれた―祖母 「家族譜」より 飯島章嘉 まず死を見に行く ここから始る コントロール出来る死をいただく 痴呆症の祖母から 空き家の前の側溝でつまずく 湿地帯とくねる道に隠される祖母 空き家の前の側溝でつまずく 痴呆症の祖母から ここから始る コントロール出来る死をいただ... 2023.05.26 文学飯島章嘉
柴﨑政夫 私の舞踊史Ⅶ 柴﨑政夫 俳優生活も新年度に入った。突然「柴﨑君、君の声は遠くまで通る。すぐに使えるよ。」と言われた。続けて「一つチャンス逃したけどね。」→「何のことですか。」→「いや終わったことだからいいんだ。」 これが我が師Tとの出会い。直木賞作家... 2023.05.24 柴﨑政夫歴史
批評・論考 【特別寄稿】蕪村の発句に於ける時間の考察(五) —経過という時間— 桝田武宗 四五人に月落ちかかる踊かな この句は、秋の盆踊りを楽しんでいる情景を詠んだものだと解釈している人が多いと思います。しかしこの句は、そのように表面的な景を詠んだ句ではありません。 先ず、時間的な面から書きますと、キーワードは、... 2023.05.24 批評・論考桝田武宗
山本幸生 「西洋」について(2) 山本幸生 前回触れた、その「最後のピース」であったところの「フランス(特に哲学)」というものについていうと、まず最初の「出会い」はドゥルーズという哲学者の本だった。たぶん一番はじめに読んだのは「アンチ・オイディプス」という(結構有名な)本... 2023.05.24 山本幸生批評・論考
エッセイ インクルーシブとは?〜舞台フェスティバル「りれいしょん(Relation)」の開催に寄せて〜 北條立記 「インクルーシブ」とは、「包み込む、排除しない」という意味の、「新しい社会の方向性を表す言葉」です。 この概念は、「バリアフリー」の発展形の言葉と捉えると、わかりやすいと思います。 バリアフリーといえばご存知の通り、お店や駅... 2023.05.24 エッセイ北條立記
原田広美 『漱石の〈夢とトラウマ〉』はじめに(前半) 原田広美 「弱者」としての自分を、自分に内在するトラウマを「夢の生成」と「冒険心」をもって癒そうとするすべての人々に本書を捧げます。 —また、そうした姿勢を最期まで貫こうとした作家・漱石へ。 あるいは「精神(神経衰弱)」および「肉体(胃... 2023.05.23 原田広美批評・論考
エッセイ ブランショとの出会い 田高孝 青春時代を謳歌した、東武東上線の常盤台駅前シャガールの内部。私の青春舞台。 ときわ台で、アパート暮らししていた時。キャバ研の後、行き場を失って、幸田と一緒に、逃げの算段をしていたころ。突然、本屋で、コリン・ウイルソンの「宗教と反... 2023.05.23 エッセイ田高孝
エッセイ ネコは「寝こ」ろびヒト育て Ⅱ 保延薫 猫はネコ「寝こ」ろびヒト育て 2 このごろ特に表情がヒトそっくりになる猫が増えてきた。 少し前なら、それは犬の専売特許。 散歩するご主人そっくりの表情している犬(わんちゃん)は、あちらこちらに居る。 今は猫さんに増えてきている。そ... 2023.05.23 エッセイ保延薫
これまでの目次一覧 ………………………◆◇2023年5月号〈目次〉◇◆下から、ここまでになります。 【◆あなたのポケットの中のお友達】になりたい!!!小説も◇詩も◇論考も◇哲学もエッセイも、◇歴史も◇歌集も◇詩画集もあなたは、どこから読むのかなぁ?................................................. 2023.05.05 これまでの目次一覧
エッセイ 泥沼人生にも限界が来る。私がパリで決別したこと。 野原広子 「野原さん、今どちらにいるの?」電話の主はわが洋裁の師のY先生! 4月27日から3日間、東京ビックサイトで開催されているホビーショーに出店しているから遊びに来ない?というお誘いだ。 実は私、震災の少し前に池袋駅前のカルチャーセ... 2023.05.04 エッセイ野原広子
エッセイ とある会社員から見た「心理」の話(1) 浅野卓 私は、JR東海入社後2~3年ごとに異動し、いろいろな部署や仕事を経験しています。今は、豊橋ステーションビルという駅ビルで働いています。こちらに配属になり2年弱ですが、多くのテナント様、お客様、さらには豊橋駅周辺の皆さんと知り合って... 2023.05.04 エッセイ浅野卓
北條立記 観劇の感激を呼ぶ作法—音楽と裏方の「体験」があるダンス公演— 北條立記 2023/4/22藤村巷平プロデュースダンス公演「PreDanceMusic」@神奈川県立青少年センターHIKARIを観劇して 開演してからリノリウムを引く、椅子を置く、ステージに照明卓があって演者が操作しながら公演が進む……... 2023.05.04 北條立記批評・論考
小森俊明 「教授」(坂本龍一)を悼む 小森俊明 「教授」(坂本龍一)が逝去してから1ヶ月ほど経つが、インターネット・メディアを中心に、その音楽的業績と政治・社会に関する活動の足跡について盛んに記事が書かれている。名実ともに20~21世紀の日本を代表する世界的アーティストであるこ... 2023.05.03 小森俊明批評・論考
エッセイ 花と緑の癒し~「園芸療法」のお話〜(3) 柴沼敦子 今回は、ストレス反応の仕組みや、意欲回復、認知機能の維持・向上、日常生活に必要な能力の維持・向上、生活の質の維持・向上など、いろいろな健康上の効果が期待できる園芸療法の実際についてお伝えします。 1 ストレスに反応する体の仕組み... 2023.05.03 エッセイ柴沼敦子
批評・論考 『ギリヤークさんと大拙』試論(三)-2020年・横浜港公演をきっかけにして- 田中聡 左がギリヤーク尼ヶ崎さん、右が筆者 〈5〉「個人的生命の宇宙的生命に対する関係を感得す。」 大拙(=鈴木大拙)、そしてギリさん(=ギリヤーク尼ヶ崎)の中には、東洋的な「一」とも言うべきものが脈打っている。 そしてそれはまず... 2023.05.03 批評・論考田中聡
文学 小説的断章『イヴの煙』 求道鞠 ◇写真©松岡祐貴◇ あこがれはやはりまぼろしだった。あこがれの甘い残り香も消えた。 やおら烟草に手を伸ばし、火をつける。肺を軽いメンソールの煙で満たすと、胸にいつもよどんでいる、もったりした霧状の虚しさが、ふうわりなだめられる気... 2023.05.03 文学求道鞠