詩題)愛と希望と生きること

チェロの肖像、希望

北條立記

自分の中を通過している、通過し続けているある印象がある。自分の潜在意識に入ってきたものであり、今の自分の安定をもたらしたものだ。なぜそれが安定をもたらすのか、つかもうとしてもつかめないのだが、ある時からそれは安定をもたらしている。求めたから得たものではなく、与えられたから得たものでもない。

それ以来自己嫌悪がふとなくなった。自然な仕方でそれはなくなった。

求めて得たわけでなく、与えられようとして与えられたわけでもない。そこが重要なのである。だからかけがえない。捨てることはできない。

その瞬間は、一生消えないはずだ。思い返さずとも潜在意識に到達している。

頭をこねくりまわして捉えるものではない。望んでいたからあるのかもしれない。自分の中の、幾度となく反復して浮かべられてきたあるイメージが、実現に向かえたということである。

自分の意識と潜在意識が認知不能にならない限り、あるだろう。安定という希望。

詩題 創刊したマガジンサイトより