2023-08

エッセイ

I write「約束の代わりに」 

若月小百合 俳優・演出家の私の恩師、池田一臣先生がお亡くなりになられた。 葬儀は近親者で行われたそうだ。 生前、自分のお葬式には必ず来るようにと先生から言われていた。 もしそんなことがあったら...訃報が届いたら...告別式に飛んでいくもの...
これまでの目次一覧

………………………◆◇2023年8・9月号〈目次〉◇◆下から、ここまでになります。

【◆あなたのポケットの中のお友達】になりたい!!!小説も◇詩も◇論考も◇哲学もエッセイも、◇歴史も◇歌集も◇詩画集もあなたは、どこから読むのかなぁ?.................................................
文学

短編小説『泡沫(うたかた)の日々』コールドウォーター・ルール2

求道鞠  わかる? 彼女は死なないのよ。夫の中で永久に。だって私よりひとまわりも若いんですもの。  君は微笑んでいる。そのアルカイックにシールされた微笑みにはおそらく、熟年の怒りが含まれているのだろう。几帳面に膝に揃えられた指先が、わずかな...
批評・論考

【特別寄稿】コラム①藤牧義夫 モダン都市東京に江戸は蘇ったのか!!

矢崎秀行  藤牧義夫(1911~35年9月2日失踪)『ENOKEN之図』1934年 「ENOKEN之図」は謎めいた作品として以前から研究者の議論を呼んでいたという。 この図は1934年9月27日、浅草松竹座での新版画集団展覧会にちなみ、当時...
エッセイ

マミの A4一枚、こころのデトックス(8)

矢野マミ 21. Let's家事!  朝日新聞社を退社したアフロ姉さんこと稲垣えみ子さんが書いた「家事か 地獄か」(←どんなタイトル!)は、バッグの中でペットボトルの緩んだ口からこぼれた水をかぶって水浸しになってしまった。家に帰って干したけ...
批評・論考

ゴミ収集労働における「相互承認」と「追跡調査可能性」(一)

田中聡  2015年3月30日、大田区大森清掃事務所西分室の建物の前にての私のゴミ収集作業員制服姿) 〈0〉導入 以下において、実際に私が東京都23区のいくつかの区のゴミ収集の清掃労働(ここで清掃労働という時は、ゴミ収集を意味する)のお仕事...
エッセイ

インクルーシブフェスティバル「りれいしょん」の反省と考察

北條立記  本年(2023年)の7月に、私が副代表を務めるアーティスト団体「ジャスミンファクトリー」主催で、インクルーシブフェスティバル「りれいしょん」が開かれた。私はそこでチラシやパンフレットのデザインや運営業務を担っていた。  本記事で...
文学

怪奇心理小説『西ヶ原クロス・ロード』

田高孝  お前が、自分で投げたものを捕らえている間は、すべては、手慣れた技量に尽き、うるところは、乏しい!  お前が、思いもかけず、永遠の競技相手、運命の女神が、かつてお前に、お前めがけて、まさに、熟練の弾みをつけ、神が作り上げた大きな橋の...
エッセイ

思い出エッセイ「祖母と着物」

西之森涼子  母方の祖母の生きがいは、おしゃれをすることだった。祖母には似ず、おしゃれが苦手な母は半ばあきれながら、それでも亡き祖母に愛着を覚えながら、懐かしそうに話す。  明治生まれの祖母は、最初の結婚で娘を授かるが、スペイン風邪で夫と子...
まどろむ海月(西武 晶)

詩と写真「星空の出来事」Ⅰ~Ⅵ

まどろむ海月(西武晶)  Ⅰ夜の頁 星空から あなたは振り返る  貴女はふりかえる  ともしびに重なる微笑み  細い指先 星座へと続く階梯は 途絶えたまま この小雨のように 降りしきるものは 何なのか  白い小径の途上で  かさねた出逢い ...
原田広美

『夢十夜』で漱石を癒す(1)

原田広美 (序)明治四十一年、漱石は高浜虚子宛の手紙に「小生『夢十夜』と題して夢をいくつもかいて見ようと存候」と書いた。英国留学から帰国し、『吾輩は猫である』『草枕』が話題となり、明治四十年には「朝日新聞社」社員として作家となり、『虞美人草...
原田成志

F・パールズ自伝『記憶のゴミ箱』ゲシュタルトセラピー創始者/新曜社/訳者あとがき(前半)

原田成志  本書はフレデリック(フリッツ)・パールズの自伝『In and Out the Garbage pail』の全訳である。1969年にReal People Pressから出版されたが、1992年にThe Gestalt Journ...
エッセイ

とある会社員から見た「心理」の話(4)

浅野卓  今日は、全国高等学校ギター・マンドリン音楽コンクールに行ってきました。娘の学校は、「ウィンザーの陽気な女房たち」を演奏しました。審査員が「序曲を演奏するに当たり、オペラを観たか?」という本質的な質問をしました。確かに、オペラを観て...
南清璽

連載小説『天女』第六回

南清璽 「今回の仕儀については、さぞかし蔑んでいるのだろうが。」  そんな私の物言いに対して、当のKは、こう述べた。 「完全に否定はしないが、お前が悪事をなさなかったんだから、良かったと思っているよ。」 「それは、友情の顕だともいうのかね。...
エッセイ

私の舞踊史Ⅸ

柴﨑政夫  当時、私の所属する所と劇団四季だけが創作子どもミュ-ジカルに意欲的に挑戦。互い違いに、夏休み番組として放映された。  その企画代表が私の師Tであり、イ-ゴリ・モイセエフ・バレエを手ほどきした人。 「パルチザン」は老若男女が心なら...
山本幸生

「西洋」について(4)(フランスに関して) 補足

山本幸生  現代の世界の中では、英米を中心としたいわゆる「アングロサクソン勢力」の影響力というのは依然圧倒的であり、そのような「世界」の中ではもちろん、「西洋」内部におけるフランスの存在感というのも昨今かなり目減りしている、というのが現状で...
ゴーレム佐藤

夢日記『瞼の絵』

ゴーレム佐藤  夕べは寝つきが悪く、マイスリーのお世話になった。  それにしてもなかなか寝付けない。なんか気になる、というかなんかいる気がする。いや、息子は隣で寝てるんだけどそれとは別に「何か」いる。  ようやくウトウトしだしたところ、起こ...
文学

書かれた―家族

飯島章嘉 ⅰ 死を教える祖母 墓地に立つ祖父 逃げる父 母は捨てた 兄は堕ちた 姉は隠した 叔母の匂いと色 子供は愛されている? ⅱ 高い水草の生える湿地帯で生まれた男や女は 高い水草の生える湿地帯で外を向いて車座になった ここに家族が始ま...
エッセイ

独創的な作曲家、木村雅信氏のこと 

小森俊明  「君の曲、素晴らしかった」。見知らぬ白髪の紳士から肩をポンと叩かれた後、「でも、この曲の良さを理解出来るひとは少ないだろうな……」と半ば独り言のような呟きが聞かれた。20年ほど前、筆者がまだ駆け出しの作曲家であった頃、日本語によ...
エッセイ

猫はネコろびヒト育て Ⅳ

保延薫 6. 前回のエッセイでご質問があった言葉がある。『韓方』(かんぽう) 。『漢方』は、例えば『漢方薬』でお馴染み、だが、『韓方』を知る方は限られてくるようだ。『韓方(かんぽう)』という表現は、実は百貨店の物産展、韓国との親善を進めよう...