猫はネコろびヒト育て Ⅳ

保延薫

 


6.
 前回のエッセイでご質問があった言葉がある。『韓方』(かんぽう) 。

 


『漢方』は、例えば『漢方薬』でお馴染み、だが、『韓方』を知る方は限られてくるようだ。

 

 
『韓方(かんぽう)』という表現は、実は百貨店の物産展、韓国との親善を進めようとしていたFIFAサッカーワールドカップ日韓合同大会の開催を前に、親善を進めようとしていた時期の物産展で、直接にお聞きしたものだ。

 


 韓国人の方から、直接にお伺いしたように記憶する。あるいは、物産展を担当していたフードコーディネーターを通じてだっただろうか。

 


 直接に韓国の方からお伺いすると、
 韓国の地理も見えてくる。

 


 岩が多い韓国(北朝鮮も含む)には、

 


 高山に生える中低木の樹皮などを石臼などで細かくして、その中に含まれる薬効は冷水に自然に溶け出す、あるいは煮出して冷やし、お茶にする。

 


 高い薬効では無いが身体を涼やかにする。

 

 朝鮮人参は有名である。彼らの中では『貿易のための作物』という位置づけである。石そのもののパワー、ミネラルを活かした石鍋。

 


 もうお馴染みになった石の小さな鍋。

 


 熱して自然に冷ましながら料理し、
 余熱があるうちに水を入れ半分湯になった状態でラクチンに後片付けまで済ませる手順の良さ。

 


 石の熱を活かす智恵(つまりエネルギー節約)(あるいは石の中に含まれるミネラル吸収)について、これも『韓方』と得心した。(韓方の教科書にどのように書かれているかは分からない)

 

 韓国の方々に取材するときは注意するポイントがある。年功序列と上意下達が著しく、そのルールからハズレると大変である。

 


 実際に薬効高い韓方(かんぽう)の智恵を持つ方々、つまり実際に作っている方々は年功序列ならば若手、上意下達ならば実際に物作りを担当している方々。

 


 上意下達の上の方々(年長クラス)は指示を出す担当。

 


 日本人に対するときはハナシをする前にカネを出せ、カネを出したら失せろに徹している。

 


 FIFAサッカーワールドカップ日韓合同大会の前と言うこともあり、日本を学び様々にハナシをするのは若い方々に多く、助けられたし、こちらもよくハナシを伺いその上で物産を買わせていただき、ゆっくりと賞味した。

 


 取材には、ゆっくりじっくりと、労りを持ちながら韓国の方々と接する。その中から出てきた『韓方(かんぽう)』の処方。彼らの中では、『韓方(かんぽう)』を持つことが誇りなのである。

 


『韓方(かんぽう)』ひとつとっても、一期一会で出会えた言葉の可能性はある。すっかり国交も冷えこむご時世である、その隣国中華人民共和国さらにロシアと共に。

 


 とはいえ、ネコワールドではロシアンブルーが大人気である。暑さがブルーアイで飛んでゆくのだろうか?

 


 さあ、夜明けだ。
 

 


 猫たちは昼間は風を求めて最適の場所で昼寝にいそしむ。

 イエの中では、ヒトの通り道の真ん真ん中で、寝る! ちょっと隅の時もある。