夏目漱石

原田広美

『漱石の〈夢とトラウマ〉』はじめに(後半)

原田広美  だが二ーチェが、それまで「教会」に束縛されてきた「肉体」――たとえば教会では伝統的に歌唱は許されたが、舞踊は許されず、マリアの処女懐胎によるイエスの出現が説かれたように、「肉体」は封じ込められてきた――にこそ、キリスト教の教えを...
原田広美

『漱石の〈夢とトラウマ〉』はじめに(前半)

原田広美  「弱者」としての自分を、自分に内在するトラウマを「夢の生成」と「冒険心」をもって癒そうとするすべての人々に本書を捧げます。 —また、そうした姿勢を最期まで貫こうとした作家・漱石へ。  あるいは「精神(神経衰弱)」および「肉体(胃...