「まどか通信」フェニックス

エッセイ

独創的な作曲家、木村雅信氏のこと 

小森俊明  「君の曲、素晴らしかった」。見知らぬ白髪の紳士から肩をポンと叩かれた後、「でも、この曲の良さを理解出来るひとは少ないだろうな……」と半ば独り言のような呟きが聞かれた。20年ほど前、筆者がまだ駆け出しの作曲家であった頃、日本語によ...
エッセイ

猫はネコろびヒト育て Ⅳ

保延薫 6. 前回のエッセイでご質問があった言葉がある。『韓方』(かんぽう) 。『漢方』は、例えば『漢方薬』でお馴染み、だが、『韓方』を知る方は限られてくるようだ。『韓方(かんぽう)』という表現は、実は百貨店の物産展、韓国との親善を進めよう...
エッセイ

肝炎ストーリー

田高孝  肝炎の資料には、「口唇性交と肛門性交」の禁止がある。これは、フロイトと同じ。フロイトも、また、これを禁じた。95年の「ヒステリー研究」から2013年の「精神分析入門」案での間、一貫してそう主張している。  また、「長すぎる口づけ」...
エッセイ

「多喜二を訪ねる 当時をそのままに」  

若月小百合  去年11月に三浦綾子生誕100年記念として、劇団アドック主催の「母」に小林多喜二の姉チマ役として出演した。 この記事はその公演パンフレットに記載されたものである。  台本を読んで以来、どうしてこうも多喜二が私の脳裏から離れなく...
いとうあきこ

「幽体離脱できます」(散文)

いとう あきこ  私は、金縛りの状態を利用してのみだが、幽体離脱ができる。  とは言っても、完璧にできたのは高校生の頃、一度きりで、それから後は、わずかに体の一部が抜ける程度である。  まずは、自分でも鮮烈な思い出である高校時代の幽体離脱に...
批評・論考

【特別寄稿】蕪村の発句に於ける時間の考察(七)最終回―永遠の時間-

桝田武宗                    白梅に明くる夜ばかりとなりにけり  この句は、蕪村の時世の句三句の内の一つです。 この句の解釈に関して詩人の萩原朔太郎、文学博士の暉竣康隆、詩人の清水哲男等が夫々違う解釈をしています。例えば、...
これまでの目次一覧

………………………◆◇2023年7月号〈目次〉◇◆下から、ここまでになります。

【◆あなたのポケットの中のお友達】になりたい!!!小説も◇詩も◇論考も◇哲学もエッセイも、◇歴史も◇歌集も◇詩画集もあなたは、どこから読むのかなぁ?.................................................
浅野卓

とある会社員から見た「心理」の話(3)

浅野卓  (東海道新幹線から見た浜名湖の夕陽)  先月、先々月と大学で1コマずつ実務家として講義を担当しました。マーケティング論、福祉政策論と違ったテーマでしたが、いずれも最後に大学生へのエールとして、私が考える「キャリア」論についてお話し...
批評・論考

【特別寄稿】向井潤吉の戦争画について

矢崎秀行 向井潤吉(1901~95)『影(中国・蘇州上空にて)』1938年福富太郎コレクション蔵  今までもっていた漠然としたイメージが変容を迫られ、認識を新たにすることがある。  向井潤吉のこの絵は、日中戦争が始まった翌年1938年に、陸...
エッセイ

怖くて愛しい沖縄、座間味島

野原広子  沖縄は怖いところ。特に離島はうかつに行くもんじゃない。実際、何度か仕事で訪れたけれど本島を駆け足で通り過ぎるだけ。私に強烈な爪痕を残したあの島には決して近づかなかった。  私が初めて沖縄に足を踏み入れたのは、フリーライターになり...