批評・論考 『本当の音?本当の生(LIFE)?本当の時間?』—追悼・坂本龍一—(ニ) 田中聡 〈3〉始まった途端に終わっているようなものだった 坂本龍一さんは「月刊カドカワ」1988年7月号(角川書店)に掲載されたご自身のエッセイで、リニアな時間について、以下のように述べている。 「子供のときから、僕の音楽は、始まった途... 批評・論考田中聡
北條立記 考え抜くという仕事 北條立記 主旨 丹念な、綿密な思考は、学者の世界でさえ、疎かにされていることがあると考えている。 そこで、思考、知識、教養、知性、論理性、感性、感受性、学問、研究、教育、本、古書、書店、出版、メディア、言論、表現、表現活動、ネット世界... 北條立記批評・論考
いとうあきこ 『自分が生きることの無駄』(散文) いとうあきこ 自殺願望が出始めたのは、中学生の頃からだろうか、少なくとも高校生の時には、ひろさちやさんのインド哲学(仏教)や遠藤周作さんのキリスト教の教えを含む小説をむさぼり読み、さだまさしの歌を聞き、心を維持したものだ。新興宗教にも自分... いとうあきこエッセイ
まどろむ海月(西武 晶) 詩と写真『ユーモアの森から』 まどろむ海月 1 夜と私 夜がやって来た挨拶がわりに手元にあったまたたびをさしだすとなんと 長い舌を出して べろっとなめ取った裏返しになってよだれを流しでろでろになったところを見るとどうやら 夜は 猫科らしいのが知れたしきりに もっとくれ... まどろむ海月(西武 晶)文学
文学 短編小説『コールドウォーター・ルール』 求道鞠 ©松岡祐貴 泳ぎながら、それが背後から猛スピードで追いかけてくるのがわかった。 わたしはできるだけ速く水を掻いて必死に逃れようとしたけど、やはり追いつかれてしまった。目の前がどんどんくもりだす。それは背後から、バタフライでやっ... 文学求道鞠
エッセイ マミのA4一枚、こころのデトックス(7) 矢野マミ 19.「神様からの手紙2023 ③」 ようやくキミは自分の居場所をみつけたようだね? “Empowering Gifted Minds” 東京大学大学院総合文化研究科ギフテッド創成寄付講座 あるいは昨日買ってきた2冊の本の片... エッセイ矢野マミ
文学 短歌集『奇跡~懐かしい日々』 田中義之 高校生若気の至り言い訳にしていい時といけない時代 肩車担ぐつもりが耐えられず思わず落とす情けなき我 水俣の公害問題友と知り図書館で読む苦海浄土 自らを大人とみている高校生所詮は園児が背伸びしただけ 青春の真っ只... 文学田中義之
南清璽 連載小説『天女』第五回 南清璽 あの日のこと。令嬢の尊父からあの出奔の計画を糺されたときのことを思い出していた。 伯爵は既に応接間のソファーに座していた。決して、威厳を示さず、むしろ、しとやかといえた。そして、いつもの深みのある落ち着いた物言いが始まった。それ... 南清璽文学
エッセイ ネコは「寝こ」ろびヒト育て Ⅲ 保延薫 5. 日本の方々は行動力がある。実は世界に活躍する。そのような一人からある日、 「医学の通信教育をご存知ありませんか?」と訊かれた。 やはりあの先生しかいない。何度となくご相談をしていた先生に今回もご相談をした。 「医学の通信... エッセイ保延薫
柴﨑政夫 私の舞踊史Ⅷ 柴﨑政夫 後になって気づいたことだが、半年ごとの養成所のカリキュラム計画と発表については、後になって、娘がロシア留学した際に出題されたものと極似する内容だった。 歌唱発表、抜粋場面の演技発表、肉体表現、論文発表。そして最後に総合作品とし... 柴﨑政夫歴史