文学 短歌集『奇跡~懐かしい日々』 田中義之 高校生若気の至り言い訳にしていい時といけない時代 肩車担ぐつもりが耐えられず思わず落とす情けなき我 水俣の公害問題友と知り図書館で読む苦海浄土 自らを大人とみている高校生所詮は園児が背伸びしただけ 青春の真っ只... 文学田中義之
文学 短歌集『収容所群島』 田中義之 令和と打ち囹圄(れいぎょ)と変換されていくここはまさしく収容所群島 燕子花典雅な構図を繰り返す光琳描く燕子花屏風 差別する言葉をうまく案出し心は隠す地獄の果てに セロ弾きの独奏これは孤独なり観客1人共犯幻想 家族譜の不... 文学田中義之
エッセイ アート・セラピーに参加して 田中義之 去年ほど僕にとって生活が一変したことはなかった。 一昨年仕事が、定年退職してから色々な事が起こった。中でも去年の秋からZOOMで。アート・セラピーに参加したことは僕にとって大切な事だった。 実家を家出して新しい住まいに転居し... エッセイ田中義之
文学 ある小説に関する思い出 田中義之 『孤高の豚』って云う短編小説を書いたことがある。主語は、三人称複数。ある独裁国家の元首の存亡(実は安泰)を、民衆側から描いた物で、多分にガルシア・マルケスの『族長の秋』の影響がある。 「『孤高の豚』と彼らは呼んだ。それが、蔑称... 文学田中義之
文学 短詩「花花は」 田中義之 草草の名は知らぬらし花花は名は知らぬらし花の咲く咲く 草咲くや名は祝い花八草咲く 鬱という字面の中の暗闇にしばし躊躇いやはり飛び込む 俳諧の人に非らずと皆の言う 毛並み良き我が飼い猫の背を撫でて天使の髪は何色か知る 子猫の子走らぬ... 文学田中義之
文学 ユーモア小説:シン・コンペイ島綺譚 (2) 田中義之 ●シン・コンペイ島綺譚 特別篇 ★序章 コンペイ王達とは違う時系列に、つまり、数十年前。テリアのお交りの桃子は、ひなちゃんと同じく、お散歩をしている。桃子もまた一点を見つめているのだった。ひなちゃんが、見つめていたのは、赤ら顔... 文学田中義之