田中義之

田中義之

画集『音楽図譜』

田中義之
田中義之

『猫画集』

田中義之
文学

ある小説に関する思い出

田中義之  『孤高の豚』って云う短編小説を書いたことがある。主語は、三人称複数。ある独裁国家の元首の存亡(実は安泰)を、民衆側から描いた物で、多分にガルシア・マルケスの『族長の秋』の影響がある。  「『孤高の豚』と彼ら...
文学

短詩「花花は」

田中義之 草草の名は知らぬらし花花は名は知らぬらし花の咲く咲く 草咲くや名は祝い花八草咲く 鬱という字面の中の暗闇にしばし躊躇いやはり飛び込む 俳諧の人に非らずと皆の言う 毛並み良き我が飼い猫の背を撫...
文学

ユーモア小説:シン・コンペイ島綺譚 (2)

田中義之 ●シン・コンペイ島綺譚 特別篇 ★序章   コンペイ王達とは違う時系列に、つまり、数十年前。テリアのお交りの桃子は、ひなちゃんと同じく、お散歩をしている。桃子もまた一点を見つめているのだった。ひ...
まどろむ海月(西武 晶)

詩画集『夏の楽譜』

まどろむ海月・詩、田中義之・イラスト Ⅰ 誰が投げたか 空の底に小石が一つ 果てのない青い花の野に 生まれたばかり白の風紋は旅立つ それは水溜りに揺れる夏の楽譜  硝子のまぶたに...
文学

歌集『恋歌へ』

田中義之 アラビアの古なるや美しき笑みを湛えて訪れる君 微かなる気品漂う首飾り険しき峰の谺の様に ささやかな静けさの後水兵は咳一つするその闇の中 ターバンを地上に置きて綴る文天使現れ説く桃源郷 夏過ぎ...
文学

連載ユーモア小説『シン・コンペイ島綺譚』

田中義之 おはよーにゃ! 心のワクチンとして、お送りします。 ●新編・コンペイ島綺譚 予告篇  貓和・貓成・貓和と続く戦後の歴史の中で、今ほど危機的な状況は無いのであった。  猫の国の王、クチャくんは、心をいためていた。 「コンペイさんは、無事だろうかにゃ?」  今回は、猫の国がこの世を救う番だ! と、クチャ王は、つぶやいた。