
北條立記
自分の中を通過している、通過し続けているある印象がある。自分の潜在意識に入ってきたものであり、今の自分の安定をもたらしたものだ。なぜそれが安定をもたらすのか、つかもうとしてもつかめないのだが、ある時からそれは安定をもたらしている。求めたから得たものではなく、与えられたから得たものでもない。
それ以来自己嫌悪がふとなくなった。自然な仕方でそれはなくなった。
求めて得たわけでなく、与えられようとして与えられたわけでもない。そこが重要なのである。だからかけがえない。捨てることはできない。
その瞬間は、一生消えないはずだ。思い返さずとも潜在意識に到達している。
頭をこねくりまわして捉えるものではない。望んでいたからあるのかもしれない。自分の中の、幾度となく反復して浮かべられてきたあるイメージが、実現に向かえたということである。
自分の意識と潜在意識が認知不能にならない限り、あるだろう。安定という希望。
詩題 創刊したマガジンサイトより
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