ユーモア小説:シン・コンペイ島綺譚 (2)

田中義之

●シン・コンペイ島綺譚 特別篇

★序章 

 コンペイ王達とは違う時系列に、つまり、数十年前。テリアのお交りの桃子は、ひなちゃんと同じく、お散歩をしている。桃子もまた一点を見つめているのだった。ひなちゃんが、見つめていたのは、赤ら顔の中年の(いわゆるおじさん)男性であったが、桃子が見つめていたのは、妙齢のキャリアウーマンである。自身が、女の子にも拘らず、桃子は、女性が好きなのだった。小型犬は、ぶりっこをして、女性達を、籠絡するのが常だった。

 そしてまた違う時系列に飛ぶ。

 ここは、恐竜達が、この世の春を謳歌している大昔である。ティラノサウルスの子供の、かんちゃんである。今、両親やお友達たちと逸れて、迷子の真っ最中なのだ。道が、Y字に、二つに分かれている分岐点で、右にしようか・左に進もうか? と、悩んでいるのだった。

 時空を超えるこの物語は、どこへ着陸するのであろうか?

 今日は、ここまで。 続きを期待して、待っててくださいね。 

(続く)

●シン・コンペイ島綺譚 特別篇

★序章 

 さて、猫の国に異変が起こりつつあった。原因の分からない人口減少・海水温上昇・気候の温暖化・巨大彗星の接近・etc.。

 枚挙にいとまがないのであった。表面的には誰も変化には気づかない程度の変化。しかし、一粒の砂が大いなる砂漠となるように、いずれ、強大な災厄をもたらすのである。

 だが、今はみんな平穏無事である。微かな予感がする様な気がして、妙に落ち着かないのは確かであった。

 中国で蝶が舞うと、ブラジルでは恐慌が起こる。

 それは、論理をいくら積み上げても説明のつかない事である。

 科学は、広大なこの宇宙の、ほんのわずかな事しか説明できないのである。 

 話が、逸れてしまったが、言いたいことはわかってもらえただろうか?

 この先に、コンペイ王達に降りかかるとても奇妙な、そして辛い出来事が待っているのである。

 今日は、ここまで。新たな展開を待っていてね。

 (続く)

●シン・コンペイ島綺譚 特別篇               

時は、来れり! 今こそ、再開の時節なり!

鬱々とした気分を、吹き飛ばそう!

いざ!  猫の島へ!

★序章   

 茶トラのクチャくん王は、悩んでいる。この国が、平和すぎるのである。

悩みの種が、無い事に悩んでいるのだ。

 ここは、猫の国の王宮の執務室である。幾多の冒険を、認めた回顧録が出来上がってしまった今となっては、何も、すべき事が無いのだ。

 コンペイさん(筆者 義之の事)に、便りでも出そうかにゃ。元気かにゃ?

クチャくん王は、いつしか居眠りにつく。

 未だ、子猫だった頃の、思い出を夢見ている。

 楽しかったにゃぁ!  嬉しかったにゃぁ!  キジトラのミータローとは、仲良しだったなぁ! ミータローも、この猫の国へ渡ってきている筈だがなぁ。会いたいなぁ。

 うたた寝から覚めても、夢の気分は続いている。

 事件は、すでに始まっているのだが、クチャくん王は、気付いていない。

 (続く)

●シン・コンペイ島綺譚 特別篇

★序章  

 クチャくん王が、うたた寝をしていた、その時。ウーパールーパーの銀ちゃんは、水槽の中にいた。銀ちゃんは、胸騒ぎを感じていた。

 同時刻。お猿のウッキーちゃんも、動物園の檻の中で、やはり、胸騒ぎを覚えていた。

 そして、サブ坊は、目が冴え切って、ドキドキしていた。

 黒柴のひなちゃんは、お散歩の最中であった。ある一点を、見つめていた。

 僕はといえば、ぼーっと、YouTubeを観ていた。

 みんなの運命が、一つに、凝集されて行く。

 まだ、物語は、動いていない。

 果たして、僕たちは、それぞれ、どんな形で、この物語に関わって行くのだろうか? 今日は、ここまで。続きを、お待ちくださいね! 

(続く) 

前回と、繋がっているような、いないような今回の文章。謎はいずれ解けるようにします。

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