批評・論考

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[特別寄稿]スサノヲと中上健次 あるいは嘆くボブ・マーリーと哭きいさちる中上健次(四)

矢崎秀行  スサノヲと中上健次⑦ つい連想してしまうのだが、それはあたかも奄美沖縄の《おなり神信仰》を私たちに想起させる。《おなり神》は兄弟を守護するとされる姉妹の霊威のことである。沖縄学の父・伊波普猷(1876~1947)が見出し、民俗学...
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【特別寄稿】蕪村の発句に於ける時間の考察(三)―俳句とモンタージュ―

桝田武宗  今や俳句と映画制作に於けるモンタージュ(編集)が大きく関わっているということは常識になっていますが、簡単に説明しておきます。  モンタージュ理論は、ソ連の映画監督・セルゲイ・エイゼンシュタインが提唱した映像編集理論です。エイゼン...
原田広美

どうしてセラピーを??そしてゲシュタルト療法とは?? ~電子書籍版『やさしさの夢療法』あとがき(前半)

原田広美  本書は、母による抑圧などを契機に、成人後も自信喪失や孤独感が解消できず、加えて管理体制の強い職場への勤務による鬱や、夫のモラトリアムなどに悩んだ私が、学生時代からの心身の解放と自己表現、および二〇代全般を通じての我身の〈苦悩の解...
山本幸生

東洋「哲学」について(4)

山本幸生  私の場合、「インド系統」後において、イスラム系やユダヤ思想関連、更には日本思想などもいくつか通過してから、ようやく「西洋哲学」というのに本格的に取り組むようになり現在に至る、ということだが、ここはあくまで「東洋哲学」というのがテ...
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[特別寄稿]スサノヲと中上健次 あるいは嘆くボブ・マーリーと哭きいさちる中上健次(三)

矢崎秀行 新宮の熊野灘に面した海岸に座る中上健次 スサノヲと中上健次⑤  けれども、ジャマイカのトレンチタウンと新宮の路地には大きな違いがあった。負を負った被差別地域であることは共通するものの、トレンチタウンは今なお続く被差別の貧民街だが、...
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『ギリヤークさんと大拙』試論(二)-2020年・横浜港公演をきっかけにして-

田中聡 左がギリヤーク尼ヶ崎さん、右が筆者  本稿は、「まどか通信」フェニックス3月号に掲載された拙稿「『ギリヤークさんと大拙』試論(一)-2020年・横浜港公演をきっかけにして-」を引き継ぐものです。  前回は私がギリさんから直接お聞きし...
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『ギリヤークさんと大拙』試論(一)-2020年・横浜港公演をきっかけにして-

田中聡 左がギリヤーク尼ヶ崎さん、右が筆者 【序章】 〈0〉導入  2020年10月11日、横浜港は横浜大桟橋国際客船ターミナルの屋上で、午後2時からの1時間余り、大道芸人・舞踊家のギリヤーク尼ヶ崎さん(当時90歳)(以下、ギリさんと略す)...
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花と緑の癒し~「園芸療法」のお話〜(2)

柴沼敦子  今回は、園芸療法とはどういうものかについてお伝えします。  園芸療法を一言で簡単に説明するなら「花や野菜などの植物を用いて人の健康をサポートする」ということでしょうか。  もう少し詳しく専門的に説明するとこうなります。 「園芸療...
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[特別寄稿]スサノヲと中上健次 あるいは嘆くボブ・マーリーと哭きいさちる中上健次(二)

矢崎秀行 新宮の熊野灘に面した海岸に座る中上健次 スサノヲと中上健次③ ボブ・マーリー、本名ロバート・ネスタ・マーリーは1945年2月、ジャマイカのセント・アン教区ナインマイルズに生まれた。中上より一つ歳上である。父親は英国生まれの白人、母...
北條立記

芸術的欲求を遂げるには—3つのライトスケッチ—

北條立記  芸術活動を継続し、創作をより豊かにできるようにするための、自分の気づきや工夫を書いていきたい。美学とかそういう難解な話としてではなく、日常感覚で捉えた、しかし創作において意味あると思うもろもろの事柄である。高校生くらいの子にも刺...