批評・論考 『本当の音?本当の生(LIFE)?本当の時間?』—追悼・坂本龍一—(ニ) 田中聡 〈3〉始まった途端に終わっているようなものだった 坂本龍一さんは「月刊カドカワ」1988年7月号(角川書店)に掲載されたご自身のエッセイで、リニアな時間について、以下のように述べている。 「子供のときから、僕の音楽は、始まった途... 批評・論考田中聡
北條立記 考え抜くという仕事 北條立記 主旨 丹念な、綿密な思考は、学者の世界でさえ、疎かにされていることがあると考えている。 そこで、思考、知識、教養、知性、論理性、感性、感受性、学問、研究、教育、本、古書、書店、出版、メディア、言論、表現、表現活動、ネット世界... 北條立記批評・論考
原田広美 『漱石の〈夢とトラウマ〉』はじめに(後半) 原田広美 だが二ーチェが、それまで「教会」に束縛されてきた「肉体」――たとえば教会では伝統的に歌唱は許されたが、舞踊は許されず、マリアの処女懐胎によるイエスの出現が説かれたように、「肉体」は封じ込められてきた――にこそ、キリスト教の教えを... 原田広美批評・論考
山本幸生 「西洋」について(3)(フランスに関して) 山本幸生 そこでまず現在私が「西洋」の中で一番興味を持っているのだというフランスについてであるが、とりあえず断っておきたいのは(まあどうでもいいことかもしれないが)先に「無関心と嫌悪」と言ったように、私はフランスに対して何か「憧れ」のよう... 山本幸生批評・論考
北條立記 言葉とは、思考と感覚を永く残すものである 北條立記 時が経てば忘れて消えてしまうかもしれない、人の思考や感覚を、永く残すのが言葉とそれを記した書物である。 ヘルマン・ヘッセは、絵画とは、一瞬で消えてしまう人の表情を永遠に残すものである、と言っているが、言葉も「思考」に対して同じ... 北條立記批評・論考
批評・論考 【特別寄稿】蕪村の発句に於ける時間の考察(六)―作為の時間- 桝田武宗 月天心貧しき町を通りけり 先ず、「郷愁の詩人・与謝蕪村」を書いた萩原朔太郎の解釈を紹介しておきましょう。「月天心というのは、夜が更けているということである。人気のない深夜の街を一人足音高く通って行く。空には、中秋の月が冴えて氷... 批評・論考桝田武宗
批評・論考 【特別寄稿】エドワード・ホッパー『二人のコメディアン』1965年について 矢崎秀行 絵描きは、その最後に「この世への惜別の絵画」を描くことがある。 ホッパー(1882〜1967)のこの絵は、まさにそうした絵画だと言われている。男性はホッパーで、女性は生涯の伴侶だった妻・ジョセフィーン。 これが定説だが、私も同意... 批評・論考矢崎秀行
小森俊明 瀧口忠男氏を悼む 小森俊明 5月初旬に、知り合ってから一年も経っていない知人の瀧口忠男氏が享年63歳で急逝された。先月は坂本龍一氏の逝去を悼んだ文章を寄稿させていただいたが、瀧口氏は今記したように直接の知人である。この10年弱の間に、平均寿命には程遠い50... 小森俊明批評・論考
onetree ヤスパース哲学と精神疾患〜現実的な実在の受容へ〜 onetree カール・ヤスパースは元々は精神科医である。 ヤスパースは哲学において、科学・交わり・真理・人間(現存在)・超越者に関する問題を提示する。 科学はあくまで道具として利用するものとしている。 ※例えばワードプロセッサ、音... onetree批評・論考
批評・論考 初投稿*滝野川クロニクル2022 ⼟地の亡霊と⾃然の召喚祭 藤井雅実 滝野川は、東京北部に流れる⽯神井川の別名で、その川が通る北区の街の名でもある。 「滝野川クロニクル2022」は、その滝野川地域に関わる歴史や環境を探り、そこに潜むものを様々な観点と技を介して喚び覚ます試みだった。多様な物や資料... 批評・論考藤井雅実