矢野マミ

エッセイ

マミのA4一枚、こころのデトックス(11)

矢野マミ 30.義母が死んだ。  91歳で亡くなった義母は間違いなく老衰だし天命だし、大往生だったと思う。 しかし亡くなったのが、ちょうど義兄が我が夫に電話をかけて来た次の日だったことで、ついつい余計なことを考えることになった。  電話の内...
エッセイ

マミのA4一枚、こころのデトックス(10)

矢野マミ 27.『死ね!』というアナタはもう死んでいる。  機会を得て、ダンス・表現系のワークショップに参加してきた。2泊3日の丁寧に組み立てられた構成で、主催者の自信と熱意を感じられた熱い体験であった。コロナ禍を挟んでここ数年、様々なワー...
エッセイ

マミのA4一枚、こころのデトックス(9)

矢野マミ 24. 虚飾の人  ここ数年、「拒食症」「元・拒食症」の人と同じ職場で働く機会が増えた。若いころにはなかったことだ。21世紀になってから「拒食症」の人が増えているのか、この仕事を志向する人に「拒食症」の人が多いのか、人手不足で職場...
エッセイ

マミの A4一枚、こころのデトックス(8)

矢野マミ 21. Let's家事!  朝日新聞社を退社したアフロ姉さんこと稲垣えみ子さんが書いた「家事か 地獄か」(←どんなタイトル!)は、バッグの中でペットボトルの緩んだ口からこぼれた水をかぶって水浸しになってしまった。家に帰って干したけ...
エッセイ

マミのA4一枚、こころのデトックス(7)

矢野マミ 19.「神様からの手紙2023 ③」  ようやくキミは自分の居場所をみつけたようだね?  “Empowering Gifted Minds” 東京大学大学院総合文化研究科ギフテッド創成寄付講座  あるいは昨日買ってきた2冊の本の片...
文学

短編小説『悦っちゃん』

矢野マミ 「そういえばさ、悦ちゃん、亡くなったんだって……」  久しぶりに会った同期からの報告に驚きながらも、いつかその日が来るのを予感していた。 『悦ちゃん』は、3人目の育休明けに出会った上司だった。社内の有名人だった。50代半ばで金髪の...
エッセイ

マミのA4一枚、こころのデトックス(6)

矢野マミ 16.#不死鳥の如く   「神宮球場」がなくなるかもしれない、と聞いて慌てて行ってきた。そこは聖地だったから。 村上春樹が小説執筆を決めた伝説の球場、神宮球場。このエピソードは村上氏本人も書いているし、他の人もよく引用しているので...
エッセイ

マミのA4一枚、こころのデトックス(5) 

矢野マミ   13.ダリの発想法  ファッション雑誌「装苑」の2021年9月号の記事「ヴィヴィアン・ウェストウッドからのメッセージVol.55」の中で、ヴィヴィアン・ウェストウッドの10年来の友人というダニエル・リズモアがシュールレアリスム...
エッセイ

マミのA4一枚、こころのデトックス (4)

矢野マミ  10.異次元   「世の中が変わったな」と実感したことが最近あった。  行きつけの(?)スーパー銭湯で、パウダールームの鏡の前で、全裸で立ったままドライヤーをかけている女性を発見したのだ。  この日はもう一人、パンツ1枚で上半身...
エッセイ

マミのA4一枚、こころのデトックス (3)

矢野マミ 7. 多いですか?少ないですか?誰に聞いたら良いですか?  特別な職業に就いているわけではないが、ふと気がつくと、周りに自死、変死した人が何人もいた。  普通、平均して何人くらい自死した知人がいるのだろうか? ちょっと多すぎないで...