まどろむ海月(西武 晶)

まどろむ海月(西武 晶)

詩画集『春の頂から』ー 君のいる風景Ⅲ

まどろむ海月 見上げた月は 皓々として 雪景色の深い谷の 底にまで 光を落としていた 白い中空の湯のなかで 魚のように戯れたね ...
まどろむ海月(西武 晶)

詩画集『春の頂から』ー 君のいる風景Ⅱ

まどろむ海月 午前の森の中に 七つの池を巡った エメラルド色を湛えた 太古の静寂は やさしい風をふくむたび 燦めく微笑みを見せた 僕たちの前の 永遠の現場 蒼空の中には 白...
まどろむ海月(西武 晶)

詩画集『春の頂 から』

まどろむ海月 透明な道で すれちがった時 ささやいたのは 君だったのか… 「幸せの頂を見るのが 春の役目だ。」と 長い旅姿のままの 私の冬(かなしみ)よ 水面の きらめきが 遠...
まどろむ海月(西武 晶)

詩画集『夏の楽譜』

まどろむ海月・詩、田中義之・イラスト Ⅰ 誰が投げたか 空の底に小石が一つ 果てのない青い花の野に 生まれたばかり白の風紋は旅立つ それは水溜りに揺れる夏の楽譜  硝子のまぶたに...