批評・論考

批評・論考

[特別寄稿] 蕪村の発句に於ける時間の考察(一)―江戸時代に於ける時間の認識―

桝田武宗  俳句は、大前提として季語を詠み込むことになっています。季語は、暦と深く関わっているものであり暦は時を表します。また俳句は、時の流れの瞬間を捉えて景を詠むというもう一つの前提があります。私が、ここで書く時(時間)とは、「内在的時間...
北條立記

今の人にとって、本は生きているか

北條立記  大量の出版物があるが、活字離れとも言われ、しかしネット空間に文章は溢れている。  沢山の書籍が出版され文章が書かれているにもかかわらず、それに見合う形では、社会が活性化されていないように見える。  その意味で、今の人にとって、本...
批評・論考

舞踏の即興、振り付け、作品について思うこと

長岡ゆり(Dance Medium主宰、舞踏家、振付家、演出家、鍼灸師)  今年(2022年)の秋、私はモダンダンサーの方に40分間のソロ作品を振り付けるというチャレンジをして、一応成功を収めたのだが、本来私は振付家というよりは、即興コラボ...
批評・論考

内藤多仲―東京タワーリバイバル “無骨な鉄塔”から「記憶の再生装置」へ

矢崎秀行  改めて述べるまでもないが、構造建築家・内藤多仲(たちゅう)(1886~1970)は戦後日本を代表する建築家で、東京タワーの設計者である。  彼は明治19年山梨県中巨摩郡榊村(現南アルプス市曲輪田)に生まれた。旧制甲府中学、第一高...
小森俊明

音楽家が文章を書き、発表するということー自身の経験を振り返ってー

小森俊明  今はネットで文章を気軽に発表することなど当たり前のことになっているが、少し前まではそうではなかった。ネット媒体の発達云々以前に、話し言葉と比べて書き言葉は難しいと考えられていたことも、無論背景にはあったのかも知れない。しかし、こ...
批評・論考

反抗期とテクノポップについての覚え書き(1)ー「型に嵌ること」をめぐってー

田中聡 今自分(1969年生まれ)が思索し、模索していることの起源は、自分の10歳位から17歳位の時期の精神的遍歴にある。  時々自分が何者か、分からなくなる時、そうした起源をもう一度十分に吟味したくなる。 なぜ、自分は免疫系の自己区別にこ...
onetree

実体験を踏まえた共生社会における現存在の本来性について

onetree アダルトチルドレン・HSPの現象学・逃走論サバイバルではなくリカバリーへ 楽園は自分の中にある。もしくはあった。 実存主義の先駆者はデンマークの哲学者キルケゴールで有名です。この文章の前置きとして、両親からの抑圧(両親のこと...
山本幸生

東洋「哲学」について(1)

山本幸生 西洋と東洋という区分けは既にかなりカビだらけになっているが、それでもやはりそこかしこで依然いろいろと思い当たる部分がないわけでもなく、まだ完全に「死んでいる」とは言えないだろうと思われる。 先にどこかのネット外国語グループで、哲学...
批評・論考

『トーテムとタブー』 付 フロイトの思想形成の謎

田高孝 フロイト『トーテムとタブー』 どうしても、この本が、気になる。個人的には、人類学のきっかけとも思うし、近年的には、ジラールが、再考していて、重要視している気がする。別に、人に影響されて読んだ覚えはない。本家、精神分析として、かなり以...