エッセイ 思い出エッセイ「祖母と着物」 西之森涼子 母方の祖母の生きがいは、おしゃれをすることだった。祖母には似ず、おしゃれが苦手な母は半ばあきれながら、それでも亡き祖母に愛着を覚えながら、懐かしそうに話す。 明治生まれの祖母は、最初の結婚で娘を授かるが、スペイン風邪で夫と子... エッセイ西之森涼子
エッセイ とある会社員から見た「心理」の話(4) 浅野卓 今日は、全国高等学校ギター・マンドリン音楽コンクールに行ってきました。娘の学校は、「ウィンザーの陽気な女房たち」を演奏しました。審査員が「序曲を演奏するに当たり、オペラを観たか?」という本質的な質問をしました。確かに、オペラを観て... エッセイ浅野卓
エッセイ 私の舞踊史Ⅸ 柴﨑政夫 当時、私の所属する所と劇団四季だけが創作子どもミュ-ジカルに意欲的に挑戦。互い違いに、夏休み番組として放映された。 その企画代表が私の師Tであり、イ-ゴリ・モイセエフ・バレエを手ほどきした人。 「パルチザン」は老若男女が心なら... エッセイ柴﨑政夫歴史
エッセイ 独創的な作曲家、木村雅信氏のこと 小森俊明 「君の曲、素晴らしかった」。見知らぬ白髪の紳士から肩をポンと叩かれた後、「でも、この曲の良さを理解出来るひとは少ないだろうな……」と半ば独り言のような呟きが聞かれた。20年ほど前、筆者がまだ駆け出しの作曲家であった頃、日本語によ... エッセイ小森俊明
エッセイ 猫はネコろびヒト育て Ⅳ 保延薫 6. 前回のエッセイでご質問があった言葉がある。『韓方』(かんぽう) 。『漢方』は、例えば『漢方薬』でお馴染み、だが、『韓方』を知る方は限られてくるようだ。『韓方(かんぽう)』という表現は、実は百貨店の物産展、韓国との親善を進めよう... エッセイ保延薫
エッセイ 肝炎ストーリー 田高孝 肝炎の資料には、「口唇性交と肛門性交」の禁止がある。これは、フロイトと同じ。フロイトも、また、これを禁じた。95年の「ヒステリー研究」から2013年の「精神分析入門」案での間、一貫してそう主張している。 また、「長すぎる口づけ」... エッセイ田高孝
エッセイ 「多喜二を訪ねる 当時をそのままに」 若月小百合 去年11月に三浦綾子生誕100年記念として、劇団アドック主催の「母」に小林多喜二の姉チマ役として出演した。 この記事はその公演パンフレットに記載されたものである。 台本を読んで以来、どうしてこうも多喜二が私の脳裏から離れなく... エッセイ若月小百合
いとうあきこ 「幽体離脱できます」(散文) いとう あきこ 私は、金縛りの状態を利用してのみだが、幽体離脱ができる。 とは言っても、完璧にできたのは高校生の頃、一度きりで、それから後は、わずかに体の一部が抜ける程度である。 まずは、自分でも鮮烈な思い出である高校時代の幽体離脱に... いとうあきこエッセイ
エッセイ 怖くて愛しい沖縄、座間味島 野原広子 沖縄は怖いところ。特に離島はうかつに行くもんじゃない。実際、何度か仕事で訪れたけれど本島を駆け足で通り過ぎるだけ。私に強烈な爪痕を残したあの島には決して近づかなかった。 私が初めて沖縄に足を踏み入れたのは、フリーライターになり... エッセイ野原広子
いとうあきこ 『自分が生きることの無駄』(散文) いとうあきこ 自殺願望が出始めたのは、中学生の頃からだろうか、少なくとも高校生の時には、ひろさちやさんのインド哲学(仏教)や遠藤周作さんのキリスト教の教えを含む小説をむさぼり読み、さだまさしの歌を聞き、心を維持したものだ。新興宗教にも自分... いとうあきこエッセイ